こえのあしあと
これまで寄せられたすべての声に、心から感謝いたします。
こえのあしあとは、子どもたちが安心して気持ちを話せる場所として運営してまいりました。
誰にも言えない気持ちを抱えた子が、そっと声を残せるように。
苦しさや不安を抱えたまま眠れない夜に、少しでも寄り添えるように。
そんな思いで、この窓口を続けてきました。
ここには、たくさんの「小さな声」が届きました。
誰にも言えなかった秘密。
ずっと胸の奥にしまっていた痛み。
言葉にするだけで涙が出てしまうような気持ち。
そのどれもが、あなたにとっては「大きな勇気」でした。
その勇気を、私たちは決して軽く扱いませんでした。
しかし、運営団体である日本児童野球保全機構(JCBPO)の事業再編に伴い、
本サービスを継続することが難しい状況となりました。
相談件数の増加、運営体制の限界、そして本機構の本来の使命との乖離が大きくなり、
これ以上の継続は難しいという判断に至りました。
そのため、2026年4月30日(木)23:59 をもちまして、
こえのあしあとのサービスを終了いたします。
サービス終了にあたり、以下のスケジュールで進行いたします。
相談内容はすべて適切に管理し、外部に公開されることはありません。
また、相談者の個人情報が残らないよう、必要な処理を慎重に行います。
あなたが残してくれた声は、決して無駄ではありません。
ひとつひとつの言葉は、確かにここに存在し、私たちが大切に受け止めてきました。
「誰にも言えなかったことを、ここなら言えた」
「苦しかったけど、話したら少し楽になった」
「返事がなくても、聞いてくれる場所があるだけで救われた」
そんな声が、私たちの支えでした。
あなたが勇気を出して残してくれた言葉は、
たとえ短くても、震えていても、涙でにじんでいても、
そのすべてが確かに届いていました。
あなたはひとりじゃありませんでした。
あなたの声は、確かに誰かに届き、誰かを動かし、誰かを救ってきました。
そして、これからもどうか、自分の気持ちを大切にしてほしい。
あなたの声は、あなたの人生を守る力になります。
相談対応に携わってくださった皆さまのご尽力に、心より感謝申し上げます。
相談員は専門家ではありません。
それでも、子どもの声をそのまま受け止める姿勢を徹底し、寄り添い続けてくれました。
・寄り添う姿勢
・秘密を守る責任
・緊急時の判断基準
・スーパーバイザーによるサポート体制
これらを守りながら、子どもたちの声に向き合ってくださったこと、
そのすべてがこえのあしあとの土台でした。
あなたたちがいなければ、この場所は存在できませんでした。
心から、ありがとうございました。
こえのあしあとは、私にとって特別な場所でした。
ここに寄せられた声は、どれも真剣で、痛みがあって、でも強さもありました。
画面越しの小さな文字に込められた震えや、言葉の裏に隠れた涙や、
それでも前に進もうとする子どもたちの必死さが、いつも胸に刺さっていました。
しかし、私たち日本児童野球保全機構には、どうしても背負わなければならない使命があります。
それは、“日本の野球文化を未来へつなぐ”という、重く、逃れられない責任です。
野球は、ただのスポーツではありません。
明治の時代に海を越えて日本に伝わり、学校教育の中で根を張り、
地域の誇りとなり、家族の思い出となり、子どもたちの夢となり、
そして日本という国の文化そのものになっていきました。
甲子園で涙を流した少年たち。
砂ぼこりの舞うグラウンドで白球を追いかけた子どもたち。
夜のスタジアムで響く歓声に胸を震わせた家族。
野球は、世代を超えて受け継がれてきた“日本の物語”です。
私たちは、その物語を守るために存在しています。
子どもたちが安心して野球を続けられる環境を整え、
野球を通じて成長できる未来をつくること。
それが、私たちの本業であり、揺るがない使命です。
しかし、こえのあしあとは、その本業を圧迫し、
組織全体を揺るがすほどの負荷を生み、
本来守るべき“野球の未来”すら危うくする状況にまで達していました。
どれだけ続けたい気持ちがあっても、
どれだけ子どもたちの声を守りたいと思っても、
野球という文化そのものを守るという使命は、
それ以上に重く、逃げられない責任でした。
だからこそ、私は決断しなければなりませんでした。
こえのあしあとを続けることは、
野球の未来を削ることになる。
子どもたちの野球環境を守るためには、
どれだけ心が痛んでも、この事業を手放さなければならない。
これは、私の人生で最も苦しい決断でした。
何度も迷い、何度も立ち止まり、
何度も「まだできるはずだ」と自分に言い聞かせました。
しかし、社員総会での決議は動かせませんでした。
多くの人が「続けたい」と思ってくれていた一方で、
それ以上に「もう限界だ」という声も確かに存在しました。
こえのあしあとは、確かに“救いの場所”でした。
しかし同時に、
日本の野球という“もっと大きな未来”を守るためには、
どうしても切り捨てなければならない現実がありました。
最後に、こえのあしあとを信じて声を残してくれたすべての子どもたちへ。
あなたの声は、ちゃんと届いていました。
あなたはひとりじゃありませんでした。
あなたが勇気を出してくれたその瞬間を、私は一生忘れません。
そして、これからもどうか、自分の気持ちを大切にしてほしい。
あなたの声は、あなたの人生を守る力になります。
誰かに届かなくても、誰かに理解されなくても、
あなた自身があなたの声を大切にしてあげてください。
どうか、これからのあなたの人生が、少しでもあたたかいものでありますように。
そして、あなたがまたどこかで、自分の声を安心して話せる場所に出会えますように。
日本児童野球保全機構 コミッショナー
中村友輔